栗は栄養のバランスがとれた健康美容食。

胃腸を強くし精力を養う
 栗の成分の約4割はデンプンです。ほかにタンパク質、ビタミン、ミネラルも多く含まれ、ビタミンCの含有量はなんとリンゴの8倍です。漢方の古書によると栗は「主として気を益し、腸を厚くし、人をして飢えに耐えしむ。生食すれば腰部の付随を治し、筋肉の切れたるを療す」とあります。東洋医学では栗は温性で腸を強くし、精力を補い、脚や腰を強靱にし、血液循環を改善するとされています。豊富な食物繊維は便通を整え、肥満を防ぎます。そしてたっぷりのビタミン・ミネラルで疲労回復や風邪予防も期待できる栄養たっぷりの美容食です。古くから日本では、民間療法として「栗の葉」を煎じて咳止めや虫刺され、ジンマシンなどの皮膚病に用いてきました。また鬼皮を煎じた汁には止血作用があり、鼻血止めにも良いとされています。

栗とリンゴの成分比較
成分
リンゴ
エネルギー (kcal)
164.0
54.0
水分 (g)
58.8
84.9
たんぱく質 (g)
2.8
0.2
脂質 (g)
0.5
0.1
炭水化物 (g)
36.9
14.6
ビタミン B1 (mg)
0.21
0.02
ビタミン B2 (mg)
0.07
0.01
ビタミン C (mg)
33
4
カリウム (mg)
420
110
カルシウム (mg)
23
3
マグネシウム (mg)
40
3
鉄 (mg)
0.8
0.0
注目すべき食材「渋皮」
 栗を調理する時には何とも面倒で、口に入れれば渋くて邪魔にされてきた渋皮が現在脚光を浴びています。その渋さの成分であるタンニンには抗酸化作用があり、成人病の予防に効果がある事がわかりました。渋皮ごと料理すれば、むき栗の栄養価に加えさらなる薬効が期待できます。本誌の「栗料理」で渋皮の美味しい食べ方を紹介していますので是非お試しください。