五平餅、大全集。

一口では語り尽くせない
このユニークなスタイル。

 最近では、高速道路のサービスエリアやショッピングセンターの一角などで、みたらしだんごやたこ焼きなどと肩を並べて堂々と売られている五平餅。業者によって半加工品が卸されるようになったことや、流通径路が整備されたことが影響して、五平餅は今や全国各地に広まっています。その大半が平べったい楕円の形をしているため、五平餅=わらじ型、と思いこんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 実際にはご覧いただいているこのページの写真の通り。一口に五平餅といっても、わらじ型、だんご型からおにぎり型、きりたんぽ型と様々です。大きさもいろいろ。一体どうして、同じ食べ物でこのような違いが生まれてきたのでしょうね。

左から、丸平だんご型五平餅、わらじ型五平餅、
へぼ五平餅、だんご型五平餅、きりたんぽ型五平餅。

カタチはふるさとを現す?
地区によってほぼ決まるカタチ。

 ひがし美濃各エリアで、どんなカタチの五平餅が作られているかを現したのが、下の「カタチ分布マップ」です。
 これをざっと眺めると、中山道より南のエリアにわらじ型・おにぎり型・きりたんぽ型が多いのが見て取れます。また、中山道より北のエリアではだんご型が多いものの、中山道から離れた加子母のあたりになると、わらじ型が目につくようになります。
 五平餅の原始的なスタイルは、きりたんぽ型やおにぎり型だったのではないでしょうか。五平餅を作る過程を想像すると、きりたんぽ型やおにぎり型、わらじ型と比べて、だんご型の方が余分な手間がかかるように思いませんか。一方、食べることを考えると、だんご型の方が食べやすい気がします。
 まず最初に、中山道をはじめ中馬街道、岩村道など、道によって五平餅という食文化が伝わります。その後、京と江戸を結び、旅人の往来が多い中山道の周辺では、「お客さん用」に、食べてもらいやすく品のいいだんご型に改良されおそらく好評を得たのでしょう。さらにそれが、その地域の家庭に定着していった…という仮説を、この分布図を見ながら立ててみましたが、いかがでしょうか?
 だんご型エリアに、わらじ型とかきりたんぽ型のお宅が存在することがあります。その多くはおかあさんやおばあさん、ひいおばあさんにあたる人などが、そうしたエリアから嫁入りしてきた…という歴史を持つ家なのだとか。あるいは、家の誰かが他の土地に働きに出て覚えたカタチが定着した場合もあるようです。そして誰もが内心「ウチの五平餅こそが正しいカタチ!」と考えているのだとか。