山の神を祀る秋の山の講は、旧暦の10月6日に行われます。この日は講の男性ばかりが神前に集まり、火を焚き、料理をして神前に供えます。この時の料理には、味飯や秋刀魚飯、そして五平餅などがあげられます。
ある山の講の五平餅は次のような形態でした。ご飯を捏ねてだんごにまるめ、長い木の枝を串にして練りつけますが、カタチは大きいわらじ型か、きりたんぽ型。これにネギ味噌か、醤油ダレをつけて焼きあげました。男料理でまことに素朴なものですが、味は見かけによらず絶品でした。
誰がいつ頃作り始めたのか定かではない五平餅ですが、その源流のヒントは、案外この山の講の五平餅にあるのではないかと、私は考えているところです。
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山の講によっては1mもの巨大な
きりたんぽ型五平餅が供えられる。
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